【アメリカの季節感】季節を愛でるのは日本人だけではない: シカゴの紅葉、秋の積雪

シカゴ2018

”四季があり、それぞれの季節を愛でるのは日本人だけ”。
そんな言説を聞いたことはないだろうか?

本記事では、シカゴの美しい秋の景色を紹介し、季節を愛でるのは日本人だけではないのだということをお話しする。

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日本人の季節感は誇張され過ぎている⁉

季節を愛でるのは日本人だけという言説は、私自身は、小中学校の複数の先生方から聞いた。
1980年代のことである。
当時はそろそろ卒業旅行などで一般国民が海外旅行を楽しみだした時代だったが、まだ頻繁に、または長期に海外に出かける人が少なかったための誤解だったのかもしれない。

私は先生方の主張を真に受け、大人になるまでずっと、海外では季節感を大切にしないものだと信じ切っていた...。
いまでも、日本の四季の美しさは、世界でも類を見ないと聞くことがあるようにも思う。

秋の季節を愛で、森林公園で紅葉狩りをするアメリカ人たち

10月末から11月前半にかけて、用があってシカゴを訪れた。
シカゴは私が若いころ何年か済んだ土地でもあり、妻と私が知り合った町でもあったから、とても懐かしい。
今回シカゴを久しぶりに訪れて、紅葉の季節のアメリカもいいなと思った。

私も、アメリカにはじめて渡ったばかりのころは、モミジがない秋がとても物足りなく思った。
けれども、何年か過ごすうちに、アメリカ人も黄色や紅に染まる木々の葉を”fall colors”(「秋の色彩」とでも訳すのだろうか)と呼んで、森林公園などで紅葉を愛で楽しんでいることを知るようになった。

シカゴではないが、アメリカ人の間にも美しい秋を愛でる習慣があるのは、「ニューヨークの秋」というジャズの名曲があることでも明らかだ。
ビリー・クリスタルとメグ・ライアンが主演したアメリカ映画「恋人たちの予感」(When Harry Met Sally)ではセントラル・パークの紅葉の景色が画面いっぱいに広がり、映画作者たちの季節に対する美意識が色彩豊かな映像に昇華されている。

シカゴの美しい秋の景色

真っ黄色に染まるオークの森の美しさ

シカゴではモミジこそないものの、オークの木(辞書では「樫」だが日本の樫とは種類がちがうようだ)が真っ黄色に染まる。
オークばかりの森などもあって、一面の黄色は幻想的で、モミジとはまったく違った秋の色彩が、私には毎年楽しみになった。

昔取ったオークの森の秋景色

凛と澄んだ秋空に雁の群れが渡っていく光景も抒情的で、いつしかアメリカの秋も素晴らしいと思うようになった。

季節感豊かなアメリカの郊外住宅地

今回の旅行では残念ながら、森林公園を楽しむ時間的余裕はなかった。
それでも、住宅地のオークの紅葉(黄葉というべきか)がたいへん美しかった。

真っ赤に燃えるメープルの木々

今回滞在した町は、オークばかりでなく、真っ赤に染まるメープルの木が多くあった。
モミジを大きくしたような葉っぱがカナダの国旗にあしらわれている木である。
こんな紅葉もシカゴにはあるのだなと、新しい発見であった。

シカゴの早い積雪

そして11月10日には、緯度が高いシカゴにしても珍しいほど早く雪が少し積もった。

冬のシカゴは寒く、最も寒い時期には夜間には氷点下10℃くらいは冷え込むのだが、そういえば雪の結晶を私がはじめてはっきり見たのも、シカゴの冬のことであった。

シカゴの四季と日本の春の比較

(2021年4月追記)

日本人だけが季節感を楽しむという言説は、当たっていない

ここまで紹介してきた通り、シカゴの秋は大変美しい。
日本と比べて優劣をつけるとかではなく、種類の違った紅葉が楽しめる別個な風景だ。

緯度が北海道ほど高く内陸部のシカゴでは、日照が短い冬は寒く、長い。

日本よりはるかに涼しい夏は、活気にあふれ、さまざまなアウトドア・アクティビティーが楽しめるから、みんなが大好きな季節である。

日本人だけが季節を愛で楽しむ稀有な民族だという言説は、当たっていないというのが、私の結論である。

シカゴには春がほとんどない

シカゴに限って言うと、唯一、春という季節がほとんどないか、非常に短い。
シカゴでは4月初めはまだ雪が降ったりする寒い気候だ。4月半ばに少し穏やかな暖かさの何日間が来るが、そのほんの数日が過ぎた4月下旬には急に日差しが強くなって気温も暑くなる。
最近は知らないが、私が住んでいた10年ほど前はそんなだった。
春がほとんどないと思うと、シカゴははっきりと「四季」が楽しめる土地とは言えない。

もっとも、花粉症を5年以上前に発症してしまった私にとっては、日本にいても春を愛でることが難しくなってしまった。
桜の季節は美しいと思うが、発症前と比べると、桜を楽しむ余裕が大幅に減退してしまっているから...。

更新履歴

  • 2021年4月20日 本サイトに移転。節見出しを付け、追記を加えた。
  • 2018年12月13日 Gooブログ「(旅行記。プエルトリコ、ニューオリンズとラスベガス。ひねもすのたり)」にて公開。

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