
世界中に支店を展開する巨大レストランチェーン、マクドナルド。
その本拠地がシカゴであることは、あまり知らない方も多いのではないだろうか。
本記事では、シカゴ郊外にあったマクドナルドの歴史的第一号店の、思いがけない現在の姿と、数奇な運命について紹介する。
マクドナルドの本拠地はシカゴである
マクドナルドは世界を代表する巨大レストラン・チェーンだが、マクドナルドの本拠はシカゴである。
本社もシカゴ郊外にあるし、旗艦店もシカゴのダウンタウンにある。
昨年のはじめにこの旗艦店を訪れ、ずいぶん様変わりしてしまっていたのに驚いたことは、「世界一のマクドナルド・レストラン。シカゴ、ロックンロール・マクドナルドの現在。」に書いた。

今回は、やはりシカゴ郊外にあった1号店の数奇な運命について書く。
シカゴ郊外にあったマクドナルドの第1号店
マクドナルドの歴史的な第1号店は、シカゴのダウンタウンから20kmほど北西にあるデスプレインズという郊外の町で1955年に開業した。
そして40年ほど前に閉店した後も、マクドナルド博物館となっていたらしい。
私がシカゴに住んでいた2000年代には既にそれも閉館になって建物だけが残っていた。
そして1号店のすぐ隣には、もっと新しい建物のマクドナルド・レストランが現在では営業中である。

取り壊されてしまった1号店
ところが去年の春に訪れたとき、1号店の建物は無くなってしまっていた…。
写真を撮らなかったが、工事中の遮蔽柵で囲まれていたのだと思う。
現在の店に戻って店員さんに「隣の1号店、どうなったの?」と聞くと、「取り壊されました」とのこと。
どうやら前年の2018年に取り壊し工事があったらしい。
そして、現在店のレジの隣に、マクドナルド・チェーンがこの地で発祥したことを示す以下のプレートが飾られていた。

曰く、マクドナルド・チェーンは1955年4月15日にこの地での本店舗の開業とともに生まれた、と。
小さくなって残った1号店の雄姿
現在のこの店舗の中には、マクドナルドの歴史を語るガラスケースがいくつか設置されている。

チェーン創業者のレイ・クロッグの肖像や、往年の1号店の写真、開業当時の設備が展示されている。

そして、私が見に来た1号店の雄姿は、もう一つのガラスケース内のミニチュアで残っているのみになった。


2回も取り壊されたマクドナルド社の歴史的1号店
マクドナルドが1号店を取り壊したのは、じつは2回目のことなのだそうだ。
1980年代前半に閉店後の1号店を取り壊した後で、マクドナルドは企業の歴史を残すべきと再考し、跡地にレプリカを立て直した経緯があるとのことだ。
2000年代に私が見た1号店はこのレプリカで、2018年にこのレプリカが取り壊されたというわけ。
そんな歴史のあとで、模型だけで残されることになった1号店。
たまたま近くに行ったから寄っただけの私だったが、すこし寂しい気持ちになった。
更新履歴
- 2021年2月10日 本サイトに移転。
- 2020年4月26日 Gooブログ「(旅行記。プエルトリコ、ニューオリンズとラスベガス。ひねもすのたり)」にて公開。
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