クリスマスにおいしい赤ワインを楽しみながら、ワインの豆知識をお教えします。
AOC、格付け、ヴィンテージ年...。
そして最後には、知っているだけで赤ワインが何倍もおいしく楽しめる、とっておきな実用的知識をお教えします。
我が家のクリスマス・ディナー2020のワインはボルドーの上級ワイン!?
今日はクリスマス。
我が家では妻が頑張って、七面鳥の丸焼きを料理してくれた!
それに合わせて、とっておきのワインを開けた。
ポーイヤック村はシャトー・アルティグの2011年!
フランス・ワインのラベルの見方
フランスワインのラベルの見方を知っておくと便利と聞いたことがあったので、ワインのことは、すこし勉強したことがある。
ちょっとだけ精一杯のウンチクを披露する。
AOCとは、最高の品質管理で醸造された立派なワインのこと
”APPELLATION PAUILLAC CONTROLEE”とあるのは、PAUILLAC村でしっかり品質管理がされたAOC認定の立派なワインということ。
AOC認定というのは、Pays D’OC(地酒)やVin de Table(テーブルワイン)よりも上級のワイン―ちゃんと伝統に乗っ取った厳しい品質管理のもとで生産された意味で―という意味である。
フランス・ワインなら、ただのテーブルワインでも普通は十分においしいものだ。そんなワインに比べてもずっと高級なAOCなのだから、もちろんおいしいことは間違いない。
ボルドー・ワインの格付け、ポイヤック村の凄さ
地方ごとの魅力があるが、一般にフランスワインの最上級はボルドーワインである。
そして、PAUILLAC村というのは、ボルドーワインの生産地の中で最も有名な村の一つである。
同じボルドーの中でもメドック地区、メドック地区の中でも特に良い畑のある村、そうした村の中でも特級畑で採れるワインが最も貴重なワインである。
同じフランスでも、ボルドーワインは特別に厳しい格付けがされている。
ボルドーワインの第1級は、シャトー・ラフィット・ロートシールトやシャトー・ブリアンなどの5大シャトーである。これらシャトーのワインが1本あたり何十万円もするというのは、皆さんご存じの通りである。
この5大シャトーのうち3つが、今回あけたワインの産地ポイヤック村にあるのだ!
実際、”Ch.Lafite Rothschild”とググると、シャトー・ラフィット・ロートシールトのラベルを見ることができ、そこにはまさに、”APPELLATION PAUILLAC CONTROLEE”と書いてある。
寝かしたワインが偉い
ワインが古いのがおいしいのは、常識であろう。
今夜のワインは2011年。もう9年も寝かしたワインだ!
今夜のワインの品質についての種明かし、ここから
というわけで、我が家にしては分不相応に高級なワイン、と言いたいところだが…。
今夜のワインの出どころ
もともとは、何年か前にフランス旅行の折に、スーパーで10ユーロ(1,300円ほど)くらいで購入したもの。以来、押し入れで寝かしてあっただけである。
ケチンボな私は、お土産はたいていスーパーで買う。ワインを含め、滅多に空港や専門店では買わない。
ただ、このワインを買った時には、ポーイヤック村のワインが10ユーロ足らずで買えることに大変驚いたものだった。
10ユーロであっても本物のポーイヤック産品。一生味わう機会などないだろう夢の特級酒の畑の、ほんの数キロ圏内に迫っただけでも、私としては上出来であろう。
AOCについて補足
実際に、ワインについて調べると、上に書いたようにAOCが立派なものだと書いてある。
けれども、フランスのスーパーでは、売っているワインはAOC認定のものがほとんどで、地酒やテーブルワイン級はほとんど売っていない。
ついでに言うと、レストランで地酒が置いてあると、平凡なAOCなんかよりもずっとおいしいこともある。
品質管理のシステマティックさでは勝っていても、味の上でAOCが地酒より格上ということでもないのかもしれない。
ポーイヤック村のこと
10ユーロくらいでポーイヤックが売っていたとはいえ、5大シャトーと同じ村の産品であることは、やはり価値があると信じたい。
実際のところは、私にはわからないところである。
フランスワインの凄さは、スーパーで3ユーロ(400円くらい)のワインであっても、もの凄く美味しいのである。
ヴィンテージ年のこと
フランスワインには、ヴィンテージ年という概念がある。
ワインのブドウは、年によって美味しい年と、はずれの年があるのだ。
「ボルドー ヴィンテージ年」と検索すると、お目当ての年のボルドーワインが、当たり年だったのか、大したことがなかったのかがわかるホームページがたくさん見つかる。
また、ちゃんとしたワイン屋では、ヴィンテージ表が必ず置いてあるものだ。
今夜のワインの作られた2011年がどういう年だったかというと…。
5段階評価で3。
多分、1とか2はほとんど付かないようだから、大してよくなかった年ということだろう。
結局、今日のワインの味はどうなの?
というわけで、ポーイヤック村産というのが唯一自慢で、それほど凄いワインではないのかもしれない。
ただ、このところ400~500円くらいのチリとか国産なかでも特に安いワインばかりしか飲んだことがない私には、今夜のポーイヤックは別格においしい。
ここまで素人のウンチクに付き合ってくださった皆さんは、どうもありがとうございます。
知っている方もいるかもしれませんが、最後に、大変実用的で、知っていたら間違いなくワインライフがはるかに豊かになる取って置きの豆知識をひとつ、お教えしちゃいます!
とても実用的な赤ワインの豆知識を、最後にもうひとつだけ
実用的なウンチクとは、赤ワインは栓を開けてから数時間後が一番おいしいということ。
開けてすぐ飲み干してしまうくらいだったら、24時間ほど経った翌日に、楽しみを取っておくほうがはるかに賢い飲み方だ。なぜなら、この2つのタイミングを比べると、翌日のほうが味が丸くなって断然おいしいから。
私は何年か前までは、ワインは開けた瞬間からどんどん味が劣化していくから、一晩で飲むのがベストなのだと信じていた。
そのころと比べると、この豆知識を知ってからは明らかに、ワインライフが豊かになった。相変わらず、たまにしか飲まないにしてもである。
これはもともと、フランスでワインを購入したワイン専門店で教えてもらったウンチクである。
だから、私一人の勘違いの可能性は限りなく低い。
フランス人が、よい赤ワインはデカンターで空気に触れさせてからグラスに注ぐのも、同じ理由からである。
というわけで、今夜のワインも栓を開けてから4時間ほど経った。
はじめよりもずいぶん渋みが和らぎ、丸く落ち着いた味になった。
我が家にとって少なくとも1年以上ぶりのフランスワインは、最高においしく、素晴らしいクリスマスを演出してくれた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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