筑波山「おたつ石コース」登山道を紹介

茨城県

日本の百名山にも数えられる筑波山は、観光名所としてとても魅力がある関東平野随一の山です。
いくつかの登山道があり、ハイキングを楽しむことができます。

本記事では、筑波山の登山道「おたつ石コース」を、歩きやすさと、道の様子や風景の写真を交えながら紹介します。

おたつ石コースは、以下の特徴があります。

  • 歩きやすく、筑波山の登山道の中で、もっとも難易度が低いとの評判。
  • 「白雲橋コース」との合流後は、特徴的な巨岩が多くみられるのが魅力。
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筑波山

「おたつ石コース」登山の様子を紹介する前に、筑波山の基礎情報を簡単におさらいします。

アクセス

筑波山の登山・観光は、筑波山神社(ケーブルカーの駅にも近い)または つつじが丘(ロープウェイ)を起点にするのが便利です。

  • 自家用車…筑波山神社入口までは、つくば市街から30分ほど。東京からなら1時間半ほど。筑波山入口には巨大な市営駐車場が3か所あり、全部で450台ほど駐車できます。また、参道沿いのホテルでも駐車場を提供しています。
    つつじが丘までは、さらに10分ほど。400台ほど駐車できる巨大な駐車場があります。
    駐車場代は、2021年現在で、一日とめて500円ほど。
  • バス…つくばエキスプレス線つくば駅前の つくばセンターバスターミナル から、「筑波山神社入り口」を通って「つつじが丘」に行く路線バスが走っています。詳しくは、バス会社のホームページをご覧ください。

今回紹介する「おたつ石コース」は、つつじが丘から出発です。

関東平野随一の名山、筑波山

筑波山は、877mとあまり高くはありません。しかし、広大な関東平野の中では、随一の山です。
筑波山の山頂からは霞ヶ浦や関東平野が一望できる素晴らしい眺望を楽しむことができます。天気がよければ富士山も見えます。
2つの頂上が並んだ特徴的な形をした山で、頂はそれぞれ女体山(標高877メートル)と男体山(871メートル)と呼ばれています。

夕日に染まる筑波山

筑波山神社

筑波山の信仰は古く、関東平野に人が済み始めたころからすでに信仰の対象とされていたとのことです。万葉集にも筑波山に関して、多くの歌が残っています。

筑波山の2つの山頂にはそれぞれ、イザナミ、イザナギを祀った神社があります。
中腹には荘厳な拝殿があり、この筑波山神社を観光するだけでも、十分な見ごたえがあります。

筑波山神社の拝殿

筑波山の登山道、おたつ石コース

筑波山の登山道

筑波山は、標高877メートルとあまり高くないけれど、広大な関東平野で随一の山です。
中腹の筑波山神社からケーブルカーが、つつじが丘駐車場からはロープウェイがあり、観光名所としても有名です。

筑波山神社とつつじが丘それぞれから山頂を目指す登山道があります。

筑波山の登山道マップ

おたつ石コース の概要

「おたつ石コース」は、ハイキングの難易度はあまり高くありません。
最後の部分だけ、ゴツゴツと不揃いで大きな岩に足場を探しながら登る部分がありますが、健康な大人(というか小学校中~高学年くらい)なら、問題なく登れる感じだと思います。
丈夫で滑らない靴は必須です。
私(40代男)と小学校高学年の息子の2人で、すこしゆっくり目に歩いて90分ほどの登り行程でした。

上の地図で、左下の「現在地」が つつじが丘です。
今回紹介する「おたつ石コース」は、つつじが丘を出発し、弁慶茶屋で「白雲橋コース」に合流し、女体山頂に向かう登山道です。

  • つつじが丘~弁慶茶屋…地図中、左下から伸びる水色線の部分です。とてもよく整備されたハイキングコースで、とても歩きやすい。40分ほどの行程。
  • 弁慶茶屋~女体山頂…地図中で水色の線の右端から、右に延びるオレンジ線です。巨石・奇岩が多く、とても楽しいハイキングコースです。ただし、大きな岩が多く、足場が悪い場所があるので、足元に気を付けて歩く必要があります。50分ほどの行程。

中継地点の弁慶茶屋は、昔はお茶屋さんがあったのかもしれません。現在は、休憩できる腰かけがいくつか置いてある半径20メートルくらいの空き地となっています。

「おたつ石コース」の様子

ここからは、おたつ石コースを歩きながら取った写真を時系列で見ながら、歩きやすさや道の様子、見どころを紹介します。
写真を見ながら、登山道の様子を確かめて、参考にしていただければ幸いです。

つつじが丘から出発

つつじが丘には、400台ほど駐車できる巨大駐車場があり、路線バスの終点にもなっています。
駐車場の周りには、軽食もできる土産物屋が並びます。

駐車場の片隅には、2メートルほどのガマの彫像が立っています。

ガマ像の右隣の階段を上ると、登山道の入り口に続きます。
ちょっと変な感じだと思いましたが、この階段より20メートルほど左には普通の道もあり、そちらが本来の登山道の入り口のようです。

つつじが丘のガマ大明神

階段を登りきると、そこには「ガマ大明神」が立っていました。体高3~4メートルくらいでしょうか。
私たちは気づかずに通り過ぎてしまったのですが、鳥居の下には、お参りできる社もあるようです。

筑波山のガマの油は、傷を癒す薬効があるということで有名だったそうです。

入山の鳥居

ガマ大明神を超えるとすぐに、鳥居をくぐります。
筑波山は山全体が霊域ということなのでしょう。

つつじが丘~弁慶茶屋

おたつ石コースの前半は、とくに足場が悪い場所もなく、非常に歩きやすいです。

鳥居をくぐった後、ごく初めのうちは、舗装された階段が続きます。

すこしすると、丸太で止めた階段になります。
この辺りは結構勾配が急ですが、これなら足元は安心です。

登り始めてすぐに振り返ると、すでに綺麗な眺望が開けています。
なにしろ、起点だったつつじが丘が標高が600メートルほどあります。

勾配が緩やかになったり、急になったりしながら、歩きやすいハイキングコースが続きます。

弁慶茶屋までの半分くらい来た頃から、だんだん木が迫り、道は森を抜ける道になっていきます。

そして、ゴツゴツと大きな石が目立つようになってきました。

道の真ん中に高さ60~70㎝ほどの石が転がっていたりします。

次の写真の中央右の石は、高さは1~2メートルあるのだと思います。

弁慶茶屋の直前になると、勾配は大したことがないながら、大きな石を踏みながら歩く感じになっていきます。

この辺りはコース初めの眺望の開けた登り道とは違って、森の中のハイキングです。
森の空気が気持ちがよいです。

弁慶茶屋

弁慶茶屋は、現在はいくつか腰かけられるベンチが置いてあるだけの空き地になっています。
残念ながら空き地の様子は写真を撮っていませんでした。

しばらく森の中のハイキングだったあとで、久しぶりにすこしだけ、木の枝の間から周りの山々が見えます。

数々の奇岩を楽しむ 弁慶茶屋~女体山頂

弁慶茶屋を後にすると、とても美しいハイキングコースが続きます。

このあと、「弁慶の七戻り」を皮切りに、ユニークな奇岩・巨石が矢継ぎ早に現れる楽しみなハイキングが続きます。

弁慶七戻り

弁慶茶屋からほんの100メートルほどだと思いますが、「弁慶七戻り」と呼ばれる非常にユニークな奇岩があります。
石の下のくぐる部分は、高さ2~3メートルほどあり、大人が悠々と通れる広さがあります。
天井の巨石がいまにも落下してきそうなので、豪胆な武蔵坊弁慶でさえ、くぐるのに大決心が要ったという意味なのでしょう。

私たちがそれほど怖い感じがしなかったのは、登るときは反対側からくぐるからです。反対側からだと次の写真のようで、だいぶ印象が違います。

母の胎内くぐり

弁慶七戻りを超え、大きな石を踏みながら少し登ると、次なる巨石が現れます。

「母の胎内くぐり」と呼ばれる巨石です。
次の写真で、中央に写っている巨石を支えている石の右隣に、案内板が写っているのがわかるでしょうか。案内板の高さが150㎝くらいなのと比べると、宙に浮いている巨石の大きさが分かってもらえると思います。
支えになっている石の周りをぐるりと回ることができる形になっており、実際にくぐってみると、とてもスリルがあります。

陰陽石

高さ5メートルはある巨石で、写真に入りきりませんでした。
2つの巨石が陰陽のように背中合わせに寄り添っている様子を、「陰陽石」と呼んだとのこと。

名前はついていないがユニークな奇岩

この巨石が多くあるあたりは、足元には大きい石が多くみられ、多少足場を選びながら歩く感じですが、平坦で足場もそれほど悪くありません。

次の写真の、帽子をかぶったような巨石、高さは3メートルほどあると思います。
私は面白いから写真を撮ったのですが、名前もついていないようです。
このあたりは、あまりに面白い奇岩が多いためなのでしょう。

国割り石

石にできた割れ目が、昔の人たちには国を分ける作業に見えたとのこと。

出船入船

弁慶七戻りや母の胎内くぐりと比べると、だいぶ小さいのですが、穴が空いた巨石はいつも、興味をそそられます。
名前の由来は、出ていく船と入って来る船がすれ違う姿を連想させるから。

しばらくハイキングコースが続く

「出船入船」の後、「北斗岩」までは、多少のアップダウンがあったり、木々の間から眺望が開けたりしながら、しばらく平坦なハイキングコースが続きます。

北斗岩

北斗岩というのは、高さ4~5メートルほどあるのでしょうか。
直立している姿が、とても美しい巨岩です。

今回は、11月初旬の晴れの日のハイキングだったので、筑波山は紅葉が美しく、特に北斗岩の周辺の木の枝の色合いは綺麗でした。

紅葉の中、山頂が見えて来る

北斗岩の後も、歩きやすい道が続きます。紅葉のシーズンのハイキングは、最高です‼

そして、いよいよ山頂が間近に見えてきました。

大仏岩

登山道が、女体山頂に向けて急峻になる直前、左上に「大仏岩」を仰ぎ見ながら歩きます。
自然の造形なはずですが、本当に立派な大仏に見えます。この岩は、高さ15メートルもあるそうです。

登山道の最後の部分は、急峻で足場にも注意!

登山道の最後の部分だけは、ゴツゴツと不規則に大きな岩を踏みながら、足場に気を付けてすこし急な斜面を登ります。

私たちが登った日には、ちょうど中学生の遠足がすれ違いに登山道を下りていくところでした。
ほとんどの生徒は問題なく元気に下りて行きましたが、2~3名の生徒が怖がってしまい、先生たちがマンツーマンで降り方を教えていました。

実際、怖くなるのも無理もないと思うような斜面です。
とはいえ、健康な人ならば、休み休み登れば、問題なく登れると思います。

女体山頂からの絶景

おたつ石コースのゴールは、女体山頂です。
周りに他に高い山がないので、ここからの眺めは絶景です。

帰りはロープウェイで下山も可

つつじが丘と女体山頂の間は、ロープウェイが通っています。
女体山頂の眺めを堪能したあと、整備された階段を200メートルほど下りると、ロープウェイの駅に出ます。

この日の私たちは、ロープウェイで駐車場まで下りました。片道運賃は、大人630円、子供340円でした。

もちろん健脚の方は他の登山道で降りるのもよし。
または女体山頂からケーブルカー駅まで歩き、ケーブルカーで筑波山神社まで下りるなど、別ルートで帰ることもできます。

まとめ

日本の百名山にも数えられる関東平野随一の名山、筑波山。

筑波山の登山道のなかでも、もっとも登りやすく、同時に奇岩・巨石を観察することが楽しみな「おたつ石コース」を紹介しました。

  • バスでも、自家用車でも、アクセスも便利。
  • 山頂近くの最後の部分だけ、勾配がきつく、足場が悪い部分がある。丈夫な靴は必須だが、健康な方なら問題なく登れるレベルだと思います。
  • 弁慶七戻り、母の胎内くぐり、入船出船、北斗岩、大仏岩など、美しい奇岩が多くみられる。
  • 女体山頂の眺望は、絶景。
  • 帰り道は、ロープウェイが便利。

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