ミシュラン2つ星、ミッシェル・トロワグロでの食事

外食グルメ
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ミシュラン・スター・レストランでの贅沢なランチ

妻の誕生日を祝うランチ

もう2か月前になるが、東京のミシュラン2つ星のレストラン「ミッシェル・トロワグロ」に家族で食事をした。
フランス料理なんてほんのたまにしか食べたことがないが、料理のコースがひとつの物語みたいに組み立てられていて、たいへん感心する。
料理の味と見た目だけでなく、給仕するときのウェイターのうやうやしさや、テーブル脇で切り分けたり最後のひと手間を加えるパフォーマンスも、気分を盛り上げてくれ、写真を見ながら思い返すだけでとても楽しい気持ちになった。

妻の誕生日に家族でおいしいものを食べに行こうと思い立ち、せっかくだから日本ではまだいったことのない、ミシュラン・スター・レストランに行って見ようと思い立ったのである。(あとから気が付いたのだが、妻と息子は二人で妻の実家に帰省した際に、神戸で1つ星の懐石料亭を経験していたようであった。)

フランスのレストランは子供歓迎が多いが、日本ではなかなか子供は歓迎されない

我が家の家族は、私と妻、それに小学2年生の息子の3人である。そもそもミシュラン3つ星や2つ星のレストランは、1~2か月先まで予約がいっぱい入っている店が多く、週末の予約など到底取れない。
そのうえ、店によって年齢が10歳以下だったり12歳以下だったり違いはあるものの、ウェブページにお子様お断りとハッキリ書いてあるお店が多い。

実は我が息子は、ランチ時とはいえフランスで2回、3つ星レストランを経験しているのである。
どちらの店も予約時に「お子様は大歓迎なんですよ」と言ってくれたし、子供の食事は(無料同然なレベルに)大サービスしてくれたのだった。
3~5歳くらいのころのことだったが、息子も騒いだりせずおとなしく、一緒に食事を楽しんだもので、うちの子に限ってはまわりに迷惑がかかるようなこともなかった。

東京のミシュラン2つ星フレンチ ミッシェル・トロワグロ―フランスの本家トロワグロは3つ星50周年

とにかく今回の東京で、子供も歓迎でそんなに予約が混んでしまっていない店をネットで見つけたときには、かなりうれしかった。
キュイジーヌ「ミッシェル・トロワグロ」。
新宿も都庁のすぐ近く、ハイアットリージェンシー東京の1階である。

「トロワグロ」というのは、フランスにあるレストランで、長い間ミシュラン3つ星を堅持している有名な老舗だ。
3代にわたって3つ星を守り続けているとのことで、今年(2018年)で50年間連続となったとのこと。
東京の「ミシェル・トロワグロ」は、この「トロワグロ」本店の3代目がオウナー(彼が信頼するシェフを雇っているのであろう)で、メニューにも3つ星50周年のハンコが押してあった。

ミシェル・トロワグロの素晴らしいコース体験

ひとつまみの喜び
コースのはじめには、ちょっとしたスナックが出てきた。惜しいのは、2か月も前のことなので、あまりよく覚えてない。。。
こういうのはすぐに記事にすべきなのですね。

分かち合う楽しみ
アペタイザには、ハマグリとジュレ、メロンのフランベしたものが出てきた。アペタイザは、自由に創意工夫を膨らませやすいのだろうか。私のいままでの限られた経験では、いつもとてもユニークなものが出て来る。
このお店でも、見た目からしてワクワクするようなアペタイザが出てきた。


ハマグリの方はすこし味がぼやけている感じがして私はあまり好きではなかった。
こういうのを楽しむには、私では経験や味覚が足りないのかもね。。。
メロンは素晴らしかった。

野菜のモザイク”オランプ”

キュウリやパプリカの細切りを酢漬けにしたものを太巻きのように巻き、切り出したサラダだが、なにより見た目がワクワクする。
酢が効いていてさっぱりしておいしかった。

トウフのヴェール、ムール貝とサフラン

トウフの薄い膜を破ると、なかからサフラン風味のソースをからめたムール貝が出てくる趣向。

オーセンティックなサーモンのオゼイユ風

これは、トロワグロ50周年の記念メニューとして、今回のコースにも組み込んであるとのことだった。
このサーモン料理は、トロワグロのもっとも有名なスペシャリティで、これを発表した当時は斬新で大変に評価されたのだとか。
酸味の効いたソースで、素晴らしくさわやかなメインディッシュだった。

ラングスティーヌとシューのトーステ タマリンド

グーグルで調べてみたら、ラングスティーヌは赤エビ、シューはキャベツのことらしい。

パリパリに焼けた羽の食感が軽く、お好み焼きみたいな香ばしい風味がした。

ピジョンとオーベルジーヌのキエフ風

鳩と、鴨だったかな。
いま見返しても、写真ですら見た目も素晴らしい。
素晴らしくおいしい、と妻と話しながら楽しんだ肉のメインディッシュ。

フロマージュ

とても綺麗にならべてくれる。
なかに、びっくりするくらいおいしいチーズがあった。
ウォッシュチーズなのに、臭味がなく、濃厚なコクがあって素晴らしいチーズだった。
このブログを書きながら思い出し、買ってみようかなと思ったのだが、このオッチェリというチーズ、楽天で300gあたり5000-6000円くらい。手が出ません。。。

セルからシュクレへ

それぞれ種類の違うフルーツの3種類のムース。色彩が美しい。
一番こっちがフランボワーズだったが、あと2つは何だったかな。
「シュクレ」は砂糖のこと、「セル」は食事という意味なのだろう。
一個目は甘味が少なく、こちらに下がってくるにしたがってだんだん甘味が濃いフルーツが使われている。
食事が終わって、これからデザートに移ることを象徴しているのだけれど、デザートが出てくる準備にこんな素敵な料理が出てくるなんて、本当に贅沢で素敵だと思った。

小菓子

リンゴ飴を小さくしたみたいなのは、アイスクリームだった。ちなみに、お皿に一個しか残っていないのは、私が写真を撮ったときには、息子と妻はすでにかぶり付いている最中だったので。
ほかは、梅のマカロンと、もう一つのやつはなんだったかな。。。

パピヨン

パピヨンとは、蝶々のことだそうだ。
テーブルに持って来てくれた時には、平板な蝶々の形をした砂糖菓子のプレートが3枚重なっている姿だった。
それだけでも綺麗だったのだが、ウェイターがその場で、ナイフを上手に使ってプレートを割り、このように立体的な蝶々にして給仕してくれる。
こうやって、テーブルまで持ってきたあとで、その場で少し手を加えるのを見せてくれるフランス料理のパフォーマンス、いつも素敵だと思う。
素晴らしいフルコースを締めくくるのにふさわしい、絢爛なスイーツだった。

メートル・ドテルの素晴らしい接客術

今回は、レストランのホームページに「メートル・ドテル」と紹介されている方が始終給仕をしてくれた。「メートル・ドテル」とは、フロアマネージャーとかヘッドウェイターという意味のようだ。
料理をひとつひとつ説明してくれる際や、我々のお願いに応じてくれる際、マニュアル通りとはまたちがった、とても人間的で個人的な温かみのある応じ方をしてくれる。
しつこくなく、我々が食事を楽しむことの邪魔には決してならない十分な距離感を保ってサーブしてくれるのだが、あんな接客術、いったいどうやって身に着けるのだろう。

素晴らしいフランス料理コースを堪能‼

こんなことを言うのはおこがましいのかもしれないが、実は今回の料理、あれれ?と思ったものもあった。
味が定まってないというのか、素晴らしくおいしいとは思わなかった料理も2-3あった、とういうのが正直なところだ。
妻も同じ料理に関して同様の感想だったといっても、夫婦の好みが似ているというだけの結論になるのだろうか。
もちろん、全部で十何種類の食べ物が出てきて、ほかがどれもすばらしく美味しかったというのは、間違いなくすごいことなのだけれど。

そうはいっても、こうしたフランス料理のコースというのは、全部を順番にいただくことで一つの総体としての完成物となるように設計されているのだろう。コース全体がすばらしい体験であった。

ミシェル・トロワグロ閉店の報を聞いて(2021年5月追記)

キュイジーヌ・ミシェル・トロワグロは、2019年末に閉店したとのことである。
コロナ感染症が流行する直前のことで、私は閉店したことを2020年も半ばになってから知った。

私たち家族が行った数少ない高級店なので、寂しい気持ちになった。
もちろん、フランスのトロワグロは今後も代々続くのだろう。

更新履歴

  • 2021年5月30日 本サイトに移転。節見出しを付けた。
  • 2018年10月5日 Gooブログ「(旅行記。プエルトリコ、ニューオリンズとラスベガス。ひねもすのたり)」にて公開。

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