シカゴのフィールド自然史博物館には、有名なティラノサウルスの化石がある。
古生物学史上はじめて、完全に近い姿で見つかった恐竜化石であるティラノサウルス「スー」である。
そしてもう一体、全長37mの巨大恐竜、ティタノサウルス「マキシモ」も、新しく常設展示に加わった。
2019年4月に行った時のこれらの恐竜たちの様子と、さらにさかのぼった2017年8月からの展示の変化を紹介する。
シカゴにあるフィールド博物館、スーが帰ってきた
大都市の博物館が常にそうであるように、シカゴのフィールド博物館は、内容が充実した見どころ満載な博物館である。
私は、この博物館の古代エジプトコーナーや、トーテムポールがたくさん展示されている一角も大好きである。
けれども、フィールド博物館の一番の目玉といえば、なんといってもティラノサウルスの化石だろうと思う。
フィールド博物館のティラノサウルスは、個体名を「スー」と名付けられており、とても有名な恐竜個体である。
2019年4月に家族で行ったとき、フィールド博物館の玄関には、「スーが帰ってきた」という横断幕が掲げられていた。
フィールド博物館のティラノサウルス「スー」
恐竜の化石発掘の最近の状況
子供ができるまで知らなかったことだが、最近では、恐竜化石が完全に近い形で発見されることも増えているとのことである。
それどころか、日本でも恐竜の全身化石が見つかっているようである。
私が子供だった頃には、ドラえもんののび太が、「日本には恐竜がいない」といって泣いていたのだから、古生物学の進歩も目覚ましいものがある。
はじめて完全体として発見された恐竜化石「スー」
はじめて恐竜化石が完全に近い形で発掘されたのは、1990年のこと。
サウス・ダコタ州のバッドランド国立公園で、ティラノサウルスの全身化石が見つかったのである。
このティラノサウルスの個体は、発見者スー・ヘンドリクソンの名前を取って「スー」と名付けられた。
「スー」はその後、フィールド博物館の常設展示になっている。
現在、スーが展示されている隣には、発見当時のスー・ヘンドリクソンの写真が掲げられている。
2017年8月のティラノサウルス「スー」
私がはじめてシカゴに行ったのは、2000年ごろのこと。
以来、スーはずっと、博物館内で一番目立つ、博物館の入り口を入ったすぐの1階ホールに展示されていた。
2017年8月にわが家ではフィールド博物館を訪れたが、その時にはまだ1階ホールで、私たちが見慣れた姿でスーは立っていた。
骨だけなのに躍動感まで感じさせる大迫力の姿に、私はいつも感動していた。
現在の博物館の1階ホールの巨大恐竜ティタノサウルス
2019年4月に、再び家族でフィールド博物館を訪れた。
「スーが帰ってきた(Sue is back)」の横断幕が博物館の入り口に掲げられていた時である。
しかし、博物館の1階ホールの、スーの場所は、別の恐竜に入れ替わってしまっていた…。
ティタノサウルスという恐竜で、個体名は「マキシモ」と言うそうである。
その場では、結構ガッカリしたのだが、今写真で見返すとこれはこれで、迫力がある。
なにしろ全長37mの巨大恐竜である。博物館もホールに収まるように展示するのに苦労したようだ。
ティラノサウルスのスーは、全長12mだというから、マキシモはスーより3倍も大きいのである。
現在のティラノサウルス「スー」の姿
スーはというと、2階の展示室に移動していた。
顔の表情は相変わらず強そうなんだけど、スー、太った!?
2017年と2019年のスーの姿の比較
スーが太ったのかどうかを検証するために、移動前と移動後の写真を比べる。
たまたまなのだけれど、私が撮ってあった写真は、2017年と2019年で似たような角度から撮っていたので比べやすい。
以下、左が2017年、右が2019年撮影の写真。
どうやら、胸骨の部分が新しく付いたぶん、太った印象になったようである。
このことは、本ブログを書いていてはじめて気が付いた。そう思うと、ブログを書くというのも勉強になるものである。
フィールド博物館の他の恐竜標本
私は、ティタノサウルス「マキシモ」の出自をよく知らない。
さらに調べていない化石なのだが、フィールド博物館には以上の2体以外にも、トリケラトプス、ステゴサウルスやパラサウロロフスなど、さまざまな恐竜の化石が展示されている。
以下は、そのほんの一部の写真である。
恐竜が好きな方は、とても楽しめると思う。
もちろん博物館には、恐竜だけでなく、いろいろなものの化石が展示されている。
綺麗に撮れていたので三葉虫の写真も載せます。
博物館を見学し終わったら、シカゴの美しいスカイラインを堪能しよう
博物館を見終わったら、忘れずにミシガン湖に張り出した展望デッキの眺望を楽しみたい。
広い芝生もあるから、天気がよければ、のんびり座ってスカイラインを楽しむのもおすすめだ。
まとめ
本記事では、シカゴのフィールド博物館のうちで、とくに恐竜化石の展示の魅力を紹介した。
- ティラノサウルス「スー」は、古生物学上ではじめて完全体で発見された恐竜の化石。
- フィールド博物館の常設展示である「スー」の躍動的なまでに生き生きとした精悍な姿は、感動的である。
- 37mの巨大恐竜ティタノサウルス「マキシモ」が、新しく常設展示になった。
- フィールド博物館では、他の恐竜の化石も数多く展示されており、恐竜好きにはおすすめ!
- 博物館を見終わったら、展望テラスでシカゴの美しいスカイラインを楽しむことができる。
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