ホラー・サスペンス映画・ドラマの傑作、厳選9本を紹介

映画、ドラマ

サスペンス・スリラーは、映画の中でも重要な一角を占めるジャンルです。
中でもホラー・サスペンスは、恐ろしさがサスペンスを増幅する効果も手伝って、素晴らしい見ごたえの作品が多くあります。

本記事では、アマゾン・プライム、ネットフリックスで見れるホラー・サスペンス映画・ドラマのうちから厳選した9本を紹介します。

本記事では、最近2年ほどの間に私がアマゾン・プライムとネットフリックスで視聴した映画を紹介しています。どちらの配信サービスも、ラインナップを定期的に変更しているため、お読みいただいている時点で見れなくなっている場合もあります。

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ホラー・サスペンスの楽しみ方

サスペンスは映画の王道ジャンル

ハラハラドキドキしながら見るサスペンス映画は、娯楽映画の王道ジャンルです。

でも、単なる娯楽ジャンルと侮るなかれ。1960年代フランス映画界を牽引したフランソワ・トリュフォーやクロード・シャブロルがヒッチコック映画を熱心に研究したことはとても有名な話です。サスペンス映画で培われた映像手法は、その後の文芸映画に多大な影響を与えた場合も多いのです。

ホラーによるサスペンスの増幅効果

そんなサスペンス映画の中でも、ホラー・サスペンスには秀逸な作品が多くあります。おぞましいホラーな結末が待ち受けることで、視聴している私たちの緊張感は否が応でも高まるため、サスペンスが盛り上がるからです。

本記事では、心理ホラー、バイオレンス・ホラーを中心に、ホラー・サスペンスの傑作を厳選して紹介します。

年齢によるホラー耐性の強化について

年齢を重ねるうちに、ホラー映画が若い頃ほど怖くなくなる人は多いように思います。
私のまわりの人たちにもそう言う人が多いようですし、なにより私自身がそうです。もちろん、若い頃からホラー映画が大好きだったという知り合いも、中にはいますが。

子供の頃はもちろん、若いころは感性が繊細なのでしょう。映像作品を見ると、いつも感動が大きくてとても心に残ります。ホラー映画なんて見ると、視聴中の心の動きは非常に大きくて、恐ろしいシーンがトラウマのように強い印象を残してしまう場合もあります。

それが、30代後半くらいから映画を見てもあまり印象に残らないことが増え、40代も後半になると、つい昨日見た映画のあらすじが思い出せないことが増えました。年齢のせいだけでなく、配信サービスの利用により、映画を見ることが気軽で頻繁になりすぎたことも原因かもしれません。

もともとホラー映画が大嫌いだった私も、ショッキングなシーンも「これ、どうせ造り物なんだよな」と納得しながら楽しめるようになってきました。
といっても、私自身はまだまだホラーへの苦手意識は強く、小学生のころに視聴しトラウマのようになってしまっている「遊星からの物体X」のスピンオフ「遊星からの物体X ファーストコンタクト」(2013年作品)を見ようかどうか、ここ数週間悩み続けているところです。

過剰なバイオレンス描写について

過剰なバイオレンス描写については、青少年への悪影響があるとの議論があります。映像技術の進歩の影響もあって、過剰な描写はひき続きエスカレートしています。

本記事では、バイオレンス描写が過剰な映画も、何本か紹介しています。
そうした映像が強く影響してしまう若い方には、おすすめしにくいのも確かです。年齢レーティングなを調べながら、ご自身の判断で気を付けて視聴していただければと思います。

本記事での☆評価について

本記事では、紹介作品について、おすすめ度、ホラー度、サスペンス度、バイオレンス度を5段階評価し、☆の数で表示しています。
視聴の参考にしていただければ幸いです。

  • おすすめ度…私の視聴後の感想を基準に、映画全体のおすすめ度を評価。
  • ホラー度…血が飛び散るとか、恐ろしい怪物が出てくるとかの映像の気持ち悪さを評価。
  • サスペンス度…視聴時に感じる、緊張感、緊迫感を評価。
  • バイオレンス度…暴力描写の過剰さ、残酷さを評価。

ホラー・サスペンス作品の紹介

実在の連続殺人犯の人生を再現したドラマシリーズ「ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマ―の物語」 (Dahmer – Monster: The Jeffrey Dahmer Story, 2022)

おすすめ度 ☆☆☆☆☆
ホラー度 ☆☆
サスペンス度 ☆☆☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆

2022年のネットフリックス・シリーズ。全10エピソード。

原案 ライアン・マーフィー、イアン・ブレナン
出演者 エヴァン・ピーターズ、リチャード・ジェンキンス

あらすじ

17名もの青少年を殺害した連続殺人犯ジェフェリー・ダーマ―の人生を再現したドラマ・シリーズ。隣人たちとのトラブル、犯行の手口、家族との確執を交えながら、遺体をアパートにて保存し人肉食もしていたことで全米を震撼させたダーマ―の人物像に迫る。

おすすめポイント

繊細で衝動を抑えられないダーマ―の人物像が真に迫っていて戦慄を覚える見ごたえです。陰影のある映像のなかでの不穏な事件は、暴力描写を抑えていてもとても不気味で、サスペンスというよりホラー番組といってよい恐ろしさです。

主演のエヴァン・ピーターズの演技はもちろんですが、社会にうまく適応できない息子を心配し、犯行の発覚後は育ての親として悩む父親役のリチャード・ジェンキンスの演技も素晴らしい見ごたえです。

大人気バイオレンス・ホラー・シリーズ第2弾「パージ:アナーキー」 (The Purge: Anarchy, 2015)

おすすめ度 ☆☆☆☆☆
ホラー度 ☆☆☆
サスペンス度 ☆☆☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆☆☆☆

監督 ジェームズ・デモナコ
出演 フランク・グリロ, カルメン・イジョゴ, ザック・ギルフォード

あらすじ

1年に一晩だけ殺人を含む犯罪が許されるようになって久しい近未来のアメリカ。今年もその「パージ」の夜がやってきた。
襲撃を避け戸締りを万全にして家に籠る人々が多い中、レオ(フランク・グリロ)は、暴力が荒れ狂うダウンタウンに向かう。レオは道中で、家を襲撃された母子と、自動車が故障し暴徒に付け狙われる夫婦を助け、行動を共にし始める。
狂気の夜からの生還を賭けた5人の逃避行の行方はいかに。レオの目的とは⁉

おすすめポイント

富裕層が、武器を購入できない社会的弱者を殺害する「パージ」の夜が法律で定められているというホラーな設定の「パージ」シリーズの第2弾。このシリーズは、設定は引き継いでいるものの、1本1本独立してみることができるように製作されています。暴力の描写が残酷なだけに、おぞましい暴力の夜の逃避行は、異常なまでの緊張感です。

「パージ」は現在6作目が製作中。私は既出の5本すべて見ましたが、どれもホラー・サスペンスとして素晴らしい見ごたえの映画です。なかでも、フランク・グリロが陰のある主人公を演ずる本作と3作目「パージ:大統領令」が、サスペンスもアクションも、もっとも盛り上がるので、とくにオススメです。

富裕層によるおぞましい人間狩りゲームを描く「ザ・ハント」(The Hunt, 2020)

おすすめ度 ☆☆☆☆☆
ホラー度 ☆☆☆
サスペンス度 ☆☆☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆☆☆☆

監督 クレイグ・ゾベル
出演者 ベティ・ギルピン、エマ・ロバーツ、アイク・バリンホルツ、ヒラリー・スワンク

あらすじ

世界各地から12名の男女が集められ、森の中で目を覚ます。彼らは突然の狙撃を受け、逃げ惑う。12人は、富裕層が「人間狩り」を楽しむための獲物として集められたのだった。
主催者たちの誤算は、獲物に一人の元軍人が混じっていたことだった。

おすすめポイント

暴力描写はとても残酷です。とくに冒頭の虐殺シーンは、残酷で生々しく、うんざりしてしまうくらいひどい。
しかし、元軍人の主人公が現れ、主催者たちと戦いはじめると、一気に見応え十分のアクション映画に変貌します。

幻想と現実が混ざり合う強烈な映像体験「ラストナイト・イン・ソーホー」 (Last Night In Soho, 2021)

おすすめ度 ☆☆☆☆☆
ホラー度 ☆☆
サスペンス度 ☆☆☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆

監督 エドガー・ライト
出演者 トーマシン・マッケンジー、アニャ・テイラー=ジョイ

あらすじ

田舎育ちのエロイーズはデザイナーを目指し、ロンドンの専門学校に入学する。
ロンドンの繁華街ソーホーの一角に部屋を借り住み始めると、毎夜の夢の中で、1960年代のロンドンで歌手を目指すサンディと一体化し、その人生を追体験するようになる。
サンディの人生が暗転しだしたとき、エロイーズは幻覚を見、精神をさいなまれ始める。

おすすめポイント

現実と夢の境があいまいになっていく危うさ、そして幻覚にさいなまれ精神が追い詰められていくエロイーズの心理が巧みに表現された映像は、もの凄い見ごたえです。
映像がじかに語り掛けてくる力強い映画で、ホラーファンでなくてもぜひおすすめしたい一本です。

抱腹絶倒の血だらけコメディーの傑作「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」 (Tucker and Dale vs Evil, 2010)

おすすめ度 ☆☆☆☆☆
ホラー度 ☆☆☆
サスペンス度 ☆☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆☆☆

監督 イーライ・クレイグ
出演者 タイラー・ラビン、アラン・テュディック

あらすじ

タッカーとデイルは親友同士の中年男。貯めた金でやっと購入した山小屋にはじめて訪れ、改修しながらの釣りを楽しみに来た。この土地は20年前に大学生キャンパーたちが惨殺された事件が発生した場所であった。
近くにキャンプをしに来た大学生たちは、2人を殺人鬼だと思いこむ。水泳中に事故を起こした女子大生を救助し山小屋で世話をしたのを、誘拐と思い込まれたことで、恐ろしい事件の幕が切って落とされる。

おすすめポイント

単なる思い過ごしから次々と血なまぐさく凄惨な事故が起こってしまうホラー・コメディー。
これでもかというくらいに、思わぬ事件の展開にあきれながらゲラゲラ笑えてしまうこと間違いなしです。映画の最後には、意外にもちょっと暖かい気持ちになれてしまう傑作です。

史上最大の被害者を出した連続殺人事件を描く「グッド・ナース」 (The Good Nurse, 2022)

おすすめ度 ☆☆☆☆☆
ホラー度 ☆
サスペンス度 ☆☆☆☆☆
バイオレンス度 ☆

NetFlix映画。

出演 ジェシカ・チャスティン、エディ・レッドメイン
監督 トビアス・リンホルム

あらすじ

シングルマザーで看護師のエイミーは、心臓疾患が見つかってしまった。
保険加入の資格が得られるまでの数カ月を、治療を行えないまま激務のICU勤務を続けなければならない。そんな困難の中、新しく配属された同僚チャーリーが、仕事のうえでも子育てでも、エイミーを手助けし支えてくれるようになる。
しかし、病棟では患者の不審死が相次いで起こり、チャールズが容疑者として浮上する。

おすすめポイント

2002~2003年にニューヨーク近郊のニュージャージー州サマセットの病院で発覚した、史上最大の被害者を出したシリアルキラー、チャールズ・カレンの事件を映画化
全編にわたってエイミーの視点から描写されている。エイミーの人物描写がよく、彼女の心の動きや不安、警戒心がひしひしと伝わってくる極上のサスペンス映画に仕上がっている。

主人公たちの心の交流が暖かいゾンビ映画「ゾンビランド」 (Zombieland, 2009)

おすすめ度 ☆☆☆☆
ホラー度 ☆☆☆
サスペンス度 ☆☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆☆

監督 ルーベン・フライシャー
出演 ジェシー・アイゼンバーグ、ウディ・ハレルソン、エマ・ストーン、アビゲイル・ブレスリン

あらすじ

謎のウィルスに感染し人類がほとんどゾンビ化してしまったアメリカ。
数少ない生き残りの大学生コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は、屈強な男タラハシー(ウディ・ハレルソン)、ウィチタ(エマ・ストーン)とリトルロック(アビゲイル・ ブレスリン)の姉妹と出会い、行動を共にする。
助け合ったり、裏切られたりしながら、4人はゾンビがいないと噂されるカリフォルニアの遊園地を目指し始める。

おすすめポイント

ゾンビ映画にお決まりの、ゾンビたちが襲ってくる恐怖とゾンビたちをやっつけまくる快感を存分に楽しめます。
そしてなにより、他人を信頼できなくなっていた主人公たちが、次第に心を寄せ合っていく姿が暖かい気持ちにさせてくれるゾンビ映画です。

素晴らしいアイデアで大ヒットを記録した超低予算映画「カメラを止めるな」 (2017)

おすすめ度 ☆☆☆☆☆
ホラー度 ☆☆☆
サスペンス度 ☆☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆

監督 上田慎一郎
出演 濱津隆之, 真魚, しゅはまはるみ

あらすじ

ゾンビ映画の撮影ロケを行っているうちに、本物のゾンビがあらわれ、ロケ隊に襲い掛かる。本物のゾンビ出現に大喜びで撮影を続けさせる監督と、ゾンビに襲われ次々にゾンビ化していくスタッフたち...。

おすすめポイント

製作費300万円の超低予算で製作され、大ヒットを記録した日本のゾンビ映画。意外性に満ちた傑作で、大ヒットはアイデアの勝利によるものです。
演出が冴えないゾンビ映画として始まる本作品ですが、後半で謎が次々に解けるのがとても気持ちよく、快感に感じること間違いない映画です。

復讐を求めて夜の町を徘徊する「プロミシング・ヤング・ウーマン」 (Promising Young Woman, 2020)

おすすめ度 ☆☆☆☆
ホラー度 ☆☆
サスペンス度 ☆☆☆☆
バイオレンス度 ☆

監督 エメラルド・フェネル
出演者 キャリー・マリガン

あらすじ

キャシー(キャリー・マリガン)は、もともと成績優秀な医大生だったが、大学を中退し、いまはコーヒーショップの店員をしている。そして、夜な夜なバーで酔ったふりをし、自分を「お持ち帰り」する見ず知らずの男に制裁を加える日々を送っていた。
そんなある日、キャシーは大学時代の同級生と再会し、交際を始める。大学時代の同級生たちとの接点を持った彼女は、大学時代の忌まわしい事件の復讐を計画し始める。

おすすめポイント

あまり有名な俳優が出演しているわけでもなく地味な映画に見えますが、主人公の人物描写もよく、見ごたえのあるサスペンス映画になっています。
キャシーの奇行を好奇心を持って見るうちに、過去の事件とは何だったのか、そして復讐劇の行方が気になって、どんどん引き込まれてしまうこと間違いありません。

さいごに

今回は、ホラー・サスペンス映画・ドラマの傑作を選りすぐり紹介しました。

  1. 実在の連続殺人犯の人生を再現したドラマシリーズ「ダーマ― モンスター:ジェフリー・ダーマ―の物語」 (Dahmer – Monster: The Jeffrey Dahmer Story, 2022)
  2. 大人気バイオレンス・ホラー・シリーズ第2弾「パージ:アナーキー」 (The Purge: Anarchy, 2015)
  3. 富裕層によるおぞましい人間狩りゲームを描く「ザ・ハント」(The Hunt, 2020)
  4. 幻想と現実が混ざり合う強烈な映像体験「ラストナイト・イン・ソーホー」 (Last Night In Soho, 2021)
  5. 抱腹絶倒の血だらけコメディーの傑作「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」 (Tucker and Dale vs Evil, 2010)
  6. 史上最大の被害者を出した連続殺人事件を描く「グッド・ナース」 (The Good Nurse, 2022)
  7. 主人公たちの心の交流が暖かいゾンビ映画「ゾンビランド」 (Zombieland, 2009)
  8. 素晴らしいアイデアで大ヒットを記録した超低予算映画「カメラを止めるな」 (2017)
  9. 復讐を求めて夜の町を徘徊する「プロミシング・ヤング・ウーマン」 (Promising Young Woman, 2020)

おなじサスペンス映画でも、麻薬カルテルに取材したサスペンス作品サメが出て来るホラー映画日常に潜むホラーに関する映画のオススメについては、別記事で紹介しています。ぜひ合わせてお楽しみください!

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