今年のお盆休みは、家族でカリブ海へ行った。
西インド諸島の中にあるプエルトリコの首都、サン・フアンが滞在地であったこの旅行のことを、何回かに分けて旅行記に書いている。
前回はシュノーケル・ツアーを楽しんだ一日のことを書いたのだったが、本当はもっとべつのツアーに参加する予定であった。今回はその予定変更の経緯について。
残念ながらいつもと違って写真はないし、ツマラナイ不平不満が中心の記事になってしまうかもしれない。
アメリカ旅行をするたびに必ず思う不満でもあるけれど、同じような状況を避ける方策はまだ知らないから。
プエルトリコにある世界トップ10ビーチのひとつ、フラメンコ・ビーチについて情報収集
世界のトップテン・ビーチとの呼び声が高いフラメンコ・ビーチ
最近私たちの旅行はそうなってしまうことが多いのだが、今回も現地に着いてからインターネットでいろいろ調べ、その場で明日(または今日)なにをするかを考える旅行であった。
宿泊したホテルはリゾート・ホテルで、ビーチにも面していた。
南国のビーチのことで私たちには異国情緒であったし、このビーチでゆっくりしてもよかった。
実際、ホテルのビーチは到着日の午後遅くの1時間ほどを過ごしただけだったから、後から考えても、もったいないことであった。
けれども、ホテルのインターネットで観光地を調べていた妻が、フラメンコ・ビーチという素晴らしいビーチのことを見つけてしまったのである。
あちらこちらのサイトで、世界でトップ10に入る極めて美しいビーチである、と書いてある。
ちょっと私が目を離していた隙に、妻の離島ビーチへのモチベーションはいやがおうにも高まってしまっていたのであった。
交通の便が悪いフラメンコ・ビーチ、フェリーのチケットが取れなかった怨嗟の口コミも
フラメンコ・ビーチ(Flamenco Beach)はプエルトリコ本島から離れたクレブラ島(Chlebra)にある。
サン・フアンからは1時間ほどのファハルドという港町まで自動車で移動し、そこからはさらに1時間ほどフェリーに揺られて行くらしい。
交通の便が非常に悪いビーチである。
しかも、フェリーのチケットがなかなか取れないらしく、ビーチに遊びに行こうとして行きつけなかったツーリストの悪態とも怨嗟ともつかない口コミをいくつも見てしまった。
コンシェルジュに相談―個人でのフェリー手配は難しい
ホテルのコンシェルジュに事情を説明してもらうと、やはりフェリーの予約をとることはできないらしい。
レンタカーを借りてフェリー乗り場まで行って見て、何時間か並んでみればひょっとすると渡航はできるかもしれないが、それでもチケットが手に入らない可能性も十分にある、とのこと。
どういう原則でフェリーが運営されているのかよくわからないのがとてもイライラする。
ホテル内旅行代理店で、フラメンコ・ビーチへのツアーが予約できた‼
結局、個人で出かけるのはあきらめ、コンシェルジュの薦める通りホテル内の旅行代理店に相談してみた。
大人140ドル、子供130ドルほどでフラメンコ・ビーチまでのツアーがあるとのこと。
我々家族3人では400ドルくらいとのことであった。
私たちは2日後の飛行機で帰るから、翌日しかツアーに参加できないと伝えたところ、翌日のツアーに4人分だけ空きがあるとのことである。
とても高いと思ったが、一世一代世界のトップ・ビーチを体験するチャンスとばかり、清水の舞台から飛び降りる気持ちで予約した。
行き先変更の経緯―フラメンコ・ビーチをあきらめ、イカコス島へ
ツアー当日に、フラメンコ・ビーチへのツアーがキャンセルに...
はたしてフラメンコ・ビーチへのツアー当日の朝。
家族3人でワクワクしながらビーチ・タオル、水着とシュノーケル・ギアを荷造りしていると、ホテル出発時間のほんの20分ほど前に急にツアーのコンダクター(?)から電話があった。
天候不順のため、フラメンコ・ビーチへのツアーは中止になったとのことである。
妻は明らかにものすごくガッカリしている。
電話で聞き取れた情報を判断材料に、ツアー変更を決断
電話の相手は、内容は非常に同様だが別の島に行くツアーがある、と切り出した。
大人一人73ドル、子供65ドル、家族3人で総額211ドル。20分後にホテルを出るから、参加したいなら即座に決定してほしいとのこと。
まいったなぁ、そもそもその場での決断を迫られるのは大の苦手なうえに、苦手な英語、それも電話の会話で聞き取れる範囲の情報に基づいての決断である。
もともとの予定よりずっと安くあがる。
新しいツアーのビーチも同じくらい綺麗なビーチなのか、と訊くと、もとのフラメンコ・ビーチのほうが有名だが実のところをいうとこちらのほうがむしろ美しいビーチなのだと言う。
そして、プエルトリコ本島からの距離が近くなるので、ビーチでゆっくりすごせる時間がずっと増えるとのこと。
聞く限りでは良いことづくめだが、とくにこちらに即決を求めるときには、客商売の人の話はうますぎる場合が多いからなぁ。。。
とはいえ、妻も私も南国のサンゴが生えるビーチを見たかったし、息子もシュノーケリングで魚をみることを楽しみにしていた。
ツアー代が大幅に安くなることもあって、このツアーに参加することにした。
イカコス島の魅力を教えてもらい、安堵してから出発
集合場所であるホテル・フロントに降りて行ってみると、ちょうど昨日話したばかりの旅行代理店の係員が店の前で挨拶をしてくれた。「これからお出かけですか?」
今朝の電話でのコミュニケーションと急な目的地変更に慌てていた私たちは、そのことについて話した。
電話でかろうじて聞き取っていた「イカコス島」という目的地名についても。
彼は私たちをオフィスに招き入れ、地図を出して目的地を示した。
そして、「私はフラメンコ・ビーチもイカコス島も、両方とも訪れたことがある。両方でシュノーケルもした。その上で言わせてもらうけど、私はイカコスの方が美しいと思う。」
前日にツアーの予約を取ってくれた係員との会話は、明らかに私たちを安堵させ、この会話のおかげで私たちはとても気持ちよくツアーに出かけることができた。
イカコス島でのシュノーケルは家族で大変楽しめた
もともとのプランで連れて行ってもらうツアーの詳細は知らない。
ただ私は、なにかしら海の家的に利用できる建物があるビーチで一日中過ごすのだろうと思っていた。
だから、連れて行ってもらったイカコス島が無人島で、ツアー後半は島の沖に出て脚の着かないシュノーケリングであると現地に着いてから知ったときの私は、シュノーケリングを楽しめないかもしれない妻と息子のことを思ってヤキモキした。
結局、家族3人ともシュノーケルを存分に楽しめたことが前回の記事に書いた通りだったのは、大変幸運であった。
帰りの飛行機の中などで妻と、フラメンコ・ビーチはいったいどんな場所だったのだろうね、などと話もし、ツアーがキャンセルになったことをやはり残念に思いもするものの、満足な結果であった。
帰国後の想定より多い請求額と、問い合わせの経緯
帰国してから、思っていたより多く請求が来た
帰国してから、楽しかったシュノーケリング・ツアーに少しケチが付いた。
もともとのフラメンコ・ビーチへのツアー契約の際に、料金約400ドルのうち100ドルは前金としてクレジットカードで支払っていた。
現地で残りの300ドルほどを追加支払い、という予定であったのだ。
この前金100ドルが返金されないのである。
実際に参加したツアーの料金は全額、現地で払ったつもりであった。
ツアー契約書には電話番号はなく、誤ったメールアドレスしか載っていなかった
そしてよくよく見ると、ツアーの契約書には旅行代理店の電話番号が載っていない。
載っていたメール・アドレスにメールを書いても届かなかった。
ビジネス書類に代理店の電話番号が載っていないのも、印刷された電話番号が誤っているのも、普通はあり得ないことだと思う。
あり得ないが2つ重なったことになる。
プエルトリコの日中に合わせてホテルに電話をし、ホテル内旅行代理店に繋いでもらってやっと問い合わせができた。
電話での問い合わせ、現地での説明では総額を提示してくれていなかったこと
電話越しにじっくり話した結果、ようやく理解したのは以下の通り。
まず、前金は港までの送迎代であって、どちらのツアーでも100ドルだったのだということ。
どうやらこの100ドルがそっくりそのまま旅行代理店(プラス下請けの送迎屋)の取り分になる。
ツアー当日の朝に電話してきたのが誰かは定かでないが、彼は送迎代を考慮にいれずに私に話したのだとのこと。
ツアー振替の交渉のときと話が違う。あのとき私には総額として211ドルが提示されたのであって、プラス100ドルとは言ってなかったじゃないか、と言ってみたものの、請求額は正しい、との返事の一点張りであった。
百歩譲って請求額が妥当だとしても、契約交渉時に総額を明確にして欲しいこと
もっとも、私も電話をかける前に、港発のツアー会社の料金が、現場で払った211ドルであることはネットで調べてあったのである。
そこには送迎代は含まれていない。
その意味では、電話口の代理店の言い分ももっともではあった。
それに、あの朝に311ドルと提示されていたとしても、たぶんツアーには出かけていただろうと思う。
ただ、ツアー当日の朝に限られた時間と情報だけで決断をしなければならなかった中で、一番肝心な料金のことで十分な説明がなされなかったことに対して非常に不満が残った。
騙しの手口だったのか、それとも、私の勘ぐり過ぎなのか⁉
電話をしたあとで思うのだけれど、ひょっとして、そもそもフラメンコ・ビーチへのツアーなんてものは存在しなかったのではないのか。
おかしいことだらけだった今回のツアー契約
不審な点を箇条書きにすると以下のようだ。
- フラメンコ・ビーチへのツアーがちょうど都合よく、4人分だけ空席があって、ぎりぎりセーフで予約が取れたこと。
- ツアーの朝のホテルのロビーに、タイミングよく旅行代理店の係員と鉢合わせたこと。
- フラメンコ・ビーチへのツアーは天候不順でキャンセルされたのに、ほんの20kmしか離れていないイカコス島のツアーは何の問題もなく催行された。結果的に、天気も良かった。
- 当日フェリーを海上で見かけたこと。方角からいうとクレブラ島(フラメンコ・ビーチの島)方面に向かっていた。
- ツアー当日の朝の電話の相手は、ホテル送迎の事情に詳しかったからツアー会社というよりは旅行代理店側の人間であると考えるのが自然だ。そうなら前金100ドルの扱いについて話題にしなかったのは、彼らの利益が念頭にあったことは想像に難くない。
- 書類上に旅行代理店の電話番号が載っていないかったことは、ビジネス常識からあり得ない。印刷されたメールアドレスまで誤ったアドレスであるというのは、さらにあり得ない。顧客が連絡を取ることを困難にする意図があるのではないのか。
一個一個の疑問は、私の思い過ごしや勘違いと思うのが自然かもしれない。けれども、あまりに怪しい事項が多すぎる気がする。
フラメンコ・ビーチへのツアーの予約受付が、実は実体がなく、当日朝にキャンセルの電話・イカコス島への代替ツアーへの振替の持ちかけへの方便なのだとすると、サスペンス映画の伏線シーンのプレイバックのように、すべてがシックリくるんだなぁ。。。
そもそも人気ビーチへの交通を便利に作らない理由はあるのか⁉
よく、本来はもっと便利にできる社会システムが不便にキープされることで、スキマ産業的(利権とまでは言わないけどさ)に儲ける人たちがいる、という話を聞く。
クレブラ島へのフェリーが理不尽に不便なのって、そうした理由だったりしないよね。あまりにうがった考え方なのかもしれないけど。
前金(セキュリティー・デポジット)には用心を‼
セキュリティ・デポジット(前金)を取られる場合、ほぼ必ず不明瞭な会計に嫌な思いをしている
アメリカ旅行中にセキュリティ・デポジット(前金)を取られるとき、私はいつも混乱させられ、支払い総額が当初の理解をはるかに上回る結果になる。
レンタカーを借りる場合はほとんどいつもそうだし、最近リゾート料金を取るようになったホテルの支払いでもそうだ。
そうした前金を取る取引相手というのは、契約時に支払総額をはっきり示してくれない。
最後の支払い伝票には既に支払っていた前金は現れない。
本当の支払総額が思っていたより高かったことに気付くのは、帰国後クレジット明細をじっくり見てからというのが常だ。
業界全体の慣習みたいになっているから文句を言っても仕方がないのかもしれないが...
そうした不明瞭会計はなんとか正してほしいと思うし、ネットで口コミ等をみるかぎり私と同じ理由でブーブー言っている人は非常に多い。
私は、ホテルを予約するたびに複数のホテルの値段を比べ、値段の情報は一番の判断材料である。たぶん多くの人が実践していることだろうと思う。
しかし、リゾート料など予め判らない料金が、チェックアウトの際に突然請求されると、予約の際の検討は、ほとんど無意味になってしまう。
リゾート料の請求を見るたびに、ひどい脱力感に襲われるゆえんだ。
もちろんそうした相手とは付き合わないようにできればよいのだが、レンタカー、ホテルに関しては業界全体がそうなっている以上、利用しないわけにいかないのが困ったことである。
それでも、損をした内容を確認するのは、意味があると思う
アメリカ旅行はいつも楽しいのだけれど、私はいつもこのようなことで気分が悪い思いをしている。
私のほかにも同じことで不満を漏らしている人は大勢いるし、それでも社会のこうしたケチ臭いところは変わらない。
ただね、こういうことをいちいち気にしながら旅行するのも、自分を守るうえで、それなりに大切なことなんだとも思う。もっと冷静にそれができるべきなのだろうけど。
旅行の中のケチな金銭的トラブル(⁉)に思い出を台無しにさせないこと
こんな風に書いたからといって、今回の旅行が、楽しかったのは変わらない。
もちろん、シュノーケリング・ツアーの思い出が最高に素晴らしいものであることも。
更新履歴
- 2021年2月21日 本サイトに移転。節見出しを付けた。
- 2017年9月10日 Gooブログ「(旅行記。プエルトリコ、ニューオリンズとラスベガス。ひねもすのたり)」にて公開。
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