アブダビ空港での深夜~朝のトランジットの間に、無料シャトルバスでドバイまで往復して暇つぶし。
本記事では、そんな深夜バス旅行を紹介します。
夜中なのでバス・ターミナルに行っただけ、ドバイにタッチしただけですが、よい暇つぶしでした。
なにより、遠目にだけであれ、世界一の高層ビル、ブルジュ・ハリファを見ることができたのはうれしかったです。
アブダビ空港で長いトランジットの時間を潰す皆さんの参考になれば幸いです。
アラブ首長国連邦(UAE)の2大都市アブダビとドバイ
アラブ首長国連邦は、アブダビ、ドバイをはじめとする7つの首長国の連邦国家です。
英語でUnited Arab Emirates(UAE)ですが、Emirateは首長国の意味、Unitedは連合、連邦の意味です。
UAEは、アラビア半島の北辺にあります。
アラブ首長国連邦の首都はアブダビ、経済の中心はドバイです。それぞれ150万人、300万人の人口を抱える大都市です。
アブダビ~ドバイ間の距離は、160㎞くらい。
今回紹介するバス旅行は、トランジットの間にアラブ世界の2大都市の間を往復します。
エティハド航空のアブダビ~ドバイ間シャトルバス・サービス
エティハド航空は、アラブ首長国連邦の航空会社です。
ハブ空港はアブダビで、エティハド航空で日本からヨーロッパに渡航する場合は、アブダビ空港でトランジットとなります。
エティハド航空では、アブダビ―ドバイ間の送迎サービス「エティハド・シャトルバス」を運航しています。
エティハド航空の乗客であれば、24時間以上前に予約しておけば、無料で利用することができます。
事前予約なしの場合は、25UAEディルハム(1UAEディルハムは40円ほどなので、1000円くらい)の支払いが必要になります(2023年11月現在)。
1日の間に、往路、復路それぞれ10便ずつくらいが運航しています。
片道2時間ほどのバス旅行です。
アブダビ~ドバイの深夜バス旅行―体験記
ここからは、私自身が深夜のアブダビ・トランジットの間に、エティハド・シャトルバスを利用してアブダビ~ドバイ間をバス旅行した体験を紹介します。
2017年7月のことで、以来ドバイのバス・ターミナルが移転していますが、いまでも同様の暇つぶしバス旅行は計画できると思います。
トランジットのスケジュール
私のアブダビ・トランジットは、2017年7月の月曜日のこと。
フライトのスケジュールは以下で、発着とも定刻通りの運航でした。
- 00:25 アブダビ着
- 09:00 アブダビ発
夜とはいえ、8~9時間のトランジットでホテルをとるかどうかは、判断に悩むところです。
私は荷物が盗られないかと心配になってしまい、空港では寝られないたちです。
かといって、空港とホテルの往復時間や、朝早めに空港に戻らなくてはいけないと思うと、2~3時間寝るだけのためにホテルをとるのももったいなく思います。
私は、深夜のアブダビ・トランジットは2回目で、もう少し短かった1回目の深夜トランジットのときにすでに、空港内を広く探検・散策していました。
なにかほかに面白い暇つぶしの方法はないかなと思っていたところに、航空会社のホームページでアブダビ~ドバイ間のシャトルバスのことを知り、用もないけど往復バス旅行をしてみることにしました。
エティハド・シャトルバスの運航時間
私が乗った往復のバスの運行時刻は、以下です。
アブダビ空港(1:30)→ドバイ(2:50)
ドバイ(4:45)→アブダビ空港(6:05)
2017年の時刻表では片道1時間20分の旅程となっていましたが、実際には往路も復路も1時間40~50分くらいかかったと記憶しています。
現在のシャトルバスの時刻表では片道2時間となっており、ちゃんと直してくれたのだなと思いました。
快適なバス車内、往路の道中は真っ暗だった
2時間弱のバスの車内は、日本の高速バスと同様、清潔で快適でした。
全席に携帯電話充電用のコンセントがついていたことは、当時の日本と比べて進んでいたと思います。
空港周辺とドバイ市街地に入ってから以外の道中では、窓の外はほとんど真っ暗でした。
ドバイのバス・ターミナル「エティハド・トラベル・モール」
ドバイのバスターミナル「エティハド・トラベル・モール」は、アブダビ空港行きのシャトルバスだけのための施設なのかもしれません。
こじんまりしていて、エティハド航空チェックインカウンターがあるほかは、キオスクみたいな売店が終夜営業していました。
建物の看板を写真で見返す感じでは、日中にはレンタカー、タクシー会社、旅行会社が営業していたのでしょう。
とにかく、明るく清潔で、24時間従業員がいるので安心です。
シャトルバスのバス・ターミナルはその後、別の場所に移転しています。移転先の立地については、後述します。
ドバイの近未来的な駅舎の中を探索
バスターミナルは車線の多いシェイク・ザイード通りという幹線道路に面していました。
ほんの数十メートル先にはNoor Bankという名の鉄道駅がありました(その後、Al Safa駅に改名)。
夜中の3時台ですので、電車の運行はとっくに終わっている時間です。
それでも、駅舎の中には入れました。
ほとんど無人の駅の中を、用もないのに歩かせてもらいました。
従業員や作業員の方が何人も居て仕事をしていましたが、とくに咎められることもなかった。
駅の反対側の出口を出ると、高架の下に出ました。
電車はこの高架の上を走るのだと思います。
高架下の空間はずいぶん広く、薄暗くて、急に気味が悪くなりました。
よく知らない国の深夜なので、このへんで引き返しましょう。
ブルジュ・ハリファをこの目で見た!
駅の入り口まで戻ってくると、道路のかなたにブルジュ・ハリファが見えました!
(というか、ほんとうは駅に入る前に見えていました。)
ブルジュ・ハリファは、高さ829.8 m。
2010年に完成した世界で最も高い建造物です。
高さ634mの東京スカイツリーと比べても、さらに約200m、割合で言って3割くらい高いです。
現在のバス・ターミナルEtihad Luxuary coach bus stationはもっとブルジュ・ハリファに近い!
先にも述べた通り、シャトルバスのバス・ターミナルはその後、移転しました。
移転前後のバス・ターミナルの場所とブルジュ・ハリファの位置関係を次の地図に書き込みました。
私が行ったバス・ターミナルからだと、ブルジュ・ハリファはだいぶ遠目に見えました。
現在のバス・ターミナルは、ブルジュ・ハリファからほんの1㎞くらいの場所。世界最高の建物を間近に眺めることができそうです。
明け方の砂漠の中のドライブ
帰りのバスに乗っているうちに、周囲が明るくなり始めました。
走行中の車内からできれいには撮れていませんが、高速道路の周囲は、ほんものの砂漠でした。
上空から見たアブダビは砂漠に囲まれていた
離陸直後の乗継便の窓からは、アブダビ空港のまわりの風景が見えました。
どこを見ても一面の砂色でした。
空港探検での暇つぶしとの比較
今回紹介したバス旅行は、私の2回目の深夜のアブダビ・トランジットです。
1回目の深夜トランジットのときには、アブダビ空港を探検しました。
そのときのことは、「【アブダビ空港のトランジット】空港内を散策し、アラブの日の出を満喫」にて紹介しています。
することのないトランジットの時間を、いかに退屈せずに暇つぶしして楽しむかがテーマです。
その意味では、どちらも楽しい過ごし方だと思います。
私自身は、一歩踏み入れただけで引き返すのであっても、初めての国や県に行ったことを楽しいと思うたちの人間です。
「ドバイまで来た!」「砂漠の中をドライブした」と思っただけでも、深夜バス旅行は相当楽しかった。
遠目にだけどブルジュ・ハリファをこの目で見れたし、砂漠を突っ切るドライブもできたしと思うと、往復300㎞ほどの距離を移動し、新しい大都市に踏み入れたこの深夜バス旅行は、とても良い思い出です。
1回目のときは、はじめて中東の地を踏んだ感慨の中での空港探検だったこともあり、とても楽しかった。けれど、ドバイへのバス旅行のほうが断然スリルとか興奮があります。
もしアブダビ空港の深夜に長時間を持て余しす予定があるなら、おすすめです。時間管理と安全には、よくお気を付けください。
まとめ
エティハド航空を利用してヨーロッパに行くとき、アブダビ空港でトランジットがあります。
2017年に、深夜の長時間トランジットの暇つぶしに、ドバイまでバスで往復した体験について紹介しました。
- エティハド航空の乗客は、アブダビ空港~ドバイの無料シャトルを利用できる。
- バスは片道2時間ほどで、座席は清潔で快適。
- 深夜3時過ぎのドバイでは、バスターミナルと、隣接する駅舎の中を歩いたくらい。それでも、「ドバイに来た!」と思うと、私には相当な興奮でした。
- 世界で最も高い建造物ブルジュ・ハリファを遠目に見ることができた。
- 明け方には周囲の砂漠を見ながらのドライブだった。
ドバイのバスターミナルはその後移転し、現在ではブルジュ・ハリファから1㎞ほどの場所にターミナルがあります。
バスターミナルだけで過ごすのだとしても、ブルジュ・ハリファが目の前に見えるかもしれませんね。
アブダビ空港での深夜長時間トランジットの暇つぶしを探しているかたに参考になれば大変うれしいです。
同様のバス旅行を企画される場合は、飛行機の時間と、安全には十二分にお気を付けください。
(新しいバスターミナルは、私は様子を知りません。出かける前にエティハド航空の従業員の方に、終夜係りの人がいて安全かどうか、確かめてからお出かけください。)
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