スイスを代表するチーズ生産地グリュイエール。
2014年に訪れたグリュイエールの町では、歴史を感じさせる町並み、美しい城と、丘の上の立地から村を見下ろす素晴らしい眺望を堪能し、散策を楽しんだ。
小ぢんまりした中世の町だが、チーズがそれほど好きでない方にも是非お勧めしたい、穴場的な観光地である。
グリュイエール観光の魅力を、散策の際に撮った写真とともに紹介する。
スイスを代表するエメンタールとグリュイエール・チーズ
チーズフォンデュのレシピを見ると、グリュイエールとエメンタールの2種類のチーズを半々、白ワインを加えて鍋で溶かすように書いてあることが多い。
スイスチーズというと穴あきチーズを思い起す方も多いかもしれない。
それは、たぶんエメンタールチーズなのだろう。
エメンタールは穴あきチーズで、匂いが控えめなため、ナチュラルチーズを食べ慣れない方でも食べやすいチーズだ。
グリュイエールチーズの方は、とくに穴が開いているわけではない、見た目にはありふれたチーズだ。
エメンタールと比べるとすこし匂いが強い。
チーズを食べ慣れなかった頃の私はおいしく食べられなかった。
ナチュラルチーズを食べ慣れた最近では、しっかり匂いと味があるグリュイエールチーズの方が好きになった。
とにかく、グリュイエールは、エメンタールとともに、スイスを代表するチーズである。
グリュイエール城とは
グリュイエール城は、13世紀の終わりごろに建造されたとのこと。
その後16世紀まで伯爵が代々住み、伯爵家が破産した16世紀から後はスイス・フリブール州の行政官の邸宅として使用されたと英語版のウィキペディアには書いてある。
アルプスの山々に囲まれた高台にある美しい城である。
スイス観光局のホームページによると、スイスで2番目に観光客が訪れる城なのだそうだ。
本記事を書くにあたって、グリュイエールについて調べてみたこともあるが、日本語はおろか英語でもインターネット上になかなか見つからないことが多いようだ。
そう思うと、グリュイエールは非常に人気がある観光地というわけではないのだろう。
観光客がごった返さないものの、見ごたえは十二分にあるグリュイエールは、穴場的でおすすめな観光地であると言える。
チーズが好きでない人にもお勧めしたい。
交通手段
ベルンからだと自動車で1時間ほど。ジュネーブからでも1時間半くらい。
私たちはレンタカーで行ったが、丘の中腹に十分に広い駐車場があり、自動車での交通の便は非常によい。
Googleマップで見てみた限りでは、鉄道で出かけることもできる様子だ。
グリュイエールの丘にある中世の城と城下町を散策
駐車場に車を止めると、すでに高台からの見晴らしが楽しめる
平地からすこしだけ坂道を上った丘の中腹に駐車場はある。
駐車場に自動車を停め、素晴らしい眺めを楽しみながら坂道を上る。
グリュイエールの美しい中世の町並み
駐車場から5分ほど歩いて登ってくると、町の入り口に着く。
入り口を抜けると、幅の広い大通りになる。
両側の建物には、レストランやカフェ、土産物屋が並んでいた。
中世の町並みがそのまま残っているのだろう、この通り沿いだけの小さな町だ。
町の中心には泉があり、突き当りはなにか特徴的な建物が見える。
私がずっと教会かと思っていたこの建物は、中世には守衛所として、18世紀ごろには塩を保管する倉庫として使用されていたと、以下のホームページに書いてあった:https://www.la-gruyere.ch/en/P12768/le-calvaire-wayside-cross
塩の貯蔵所の前まで来て振り返ると、別の山を背景にした町並みが美しい。
エイリアンの創造者H.R.ギーガーの美術館
町を抜けると、道は上り坂になる。
建物の下をくぐったところに、美術館があった。
この美術館に作品が展示されているH.R.ギーガーは、映画「エイリアン」に出て来るエイリアンの造形を担当した芸術家である。
私たちは美術館には入館しなかったが、建物の外にあった像はとても印象に残っている。
丘の頂の古城で美しい庭園や眺望を楽しむ
もう何年か前のことなので、入館料を支払ったかどうかは覚えていない。
とにかく、丘の頂にある古城の中に入り、城壁に沿った通路や美しい庭園を散策した。
ここからの眺望も素晴らしかった。
写真を見て楽しんでいただければ幸いである。
グリュイエール古城の雄姿を楽しみながら町に戻る
町から登ってきた坂とは別に、町はずれの教会に降りていく坂道がある。
城を目指して登った坂からは見えなかった古城の姿は、教会の側から見上げる形になる。
本場グリュイエールでチーズフォンデュを楽しむ
城見学を終えて町に戻ってきた私たちは、そこでレストランに入った。
冒頭にも述べた通りチーズフォンデュは、グリュイエールチーズとエメンタールチーズで作ることが多い。
そのグリュイエールの町でフォンデュをいただくと思うと、大変愉快である。
私たちがグリュイエールを訪れたのは、8月のこと。
標高が高いスイスの夏は涼しく、晴れたこの日も爽やかな気温であった。
屋外のテーブルに通され、そこでピクニックのように家族でチーズフォンデュを楽しんだ。
スイスの清涼な空気のなか、素晴らしい景色を見ながらの食事で、最高の思い出である。
麓のラ・メソン・ドゥ・グルイエールでチーズ作りを見学
高台のグリュイエール城とその城下町を楽しんだら、ぜひ麓にあるラ・メソン・ドゥ・グルイエール La Maison du Gruyere に寄りたいところ。
グリュイエールチーズの製造所である。
平日であれば、チーズ製造の工程を見学することができるらしい。
私たちがグリュイエールを観光したのは、週末だった。
チーズ製造所は休業日だったのが残念であった。
それでも、通りからガラス越しにチーズ保管庫を覗くことができるようになっていて、この光景を見ることができただけでも、十分に寄り道の価値はあった。
まとめ
- グリュイエール城は13世紀に建造された古城。
- 小高い丘の上にある古城とその城下町の散策は、中世の歴史遺産と素晴らしい眺望を楽しめるため、十二分に魅力がある穴場的観光スポットである。
- グリュイエールはスイスを代表するチーズの産地である。
- 本場のチーズフォンデュは、最高の思い出となること間違いなし‼
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